広葉樹でのモノづくり

2017.02.02

170202_001
 
久しぶりのブログ更新。
 
一月末に二泊三日で飛騨市の古川まで行ってきました。

製材所や家具工場など様々なモノづくりの場を見学。木工技術や家具作りで有名な飛騨ですが、
もう一つの地域資源である『広葉樹』が上手に活用されていない現状が判りました。
輸入木材を国内で加工しても国産家具と称されているなど、モノの流れが歪んでいます。
林業が抱えている問題は全国各地にありますが、
今回の訪問で改めて気付かされたことは、針葉樹か広葉樹で事情が大きく異なっていたことでした。

 

柱や梁など建材利用に優位な針葉樹に比べ、家具等に使われる国内広葉樹の需要が大きく高まった歴史はありません。
既存インフラを持つ針葉樹の林業は、エネルギー資源での活路など新たな産業スタイルへと変遷しつつありますが、
広葉樹の林業は林道整備さえままなっておらず、今でも自然に育った樹木を選び出して山から下していると聞きました。

 

今や日本の殆どの山が針葉樹の人工林に覆われていますが、新緑・紅葉・落葉と豊かな表情を持つ広葉樹の森が日本の原風景だった筈です。
ブナ・ナラ・クルミ・・・様々な広葉樹が混生し、多様な生命の営みを支えている美しい森が飛騨市にはあり、
その広葉樹資源の活用に地方創生の糸口を見出しています。
輸入から地元の広葉樹へと資源をスイッチしていくことは、産業や観光の地域特性強化へとつながることでしょう。

 

今回の訪問には、広葉樹の活路につながるモノづくりを飛騨市に提案するミッションが課されています。
3月中旬には何かしらのデザイン成果物を提示しなくてはなりませんが、
視察やディスカッションを通して、飛騨がぐっと身近な存在になりました。
 
 

170202_004
 
製材所に積まれた飛騨産材
 
170202_003
 
製材で出た木屑は飛騨牛の牛舎に使われ、最終的には肥料に。広葉樹は肥料は良質とのこと。

 

170202_005
 
豆腐ステーキを始め、豊かな食文化もしっかり堪能してきました。
 
170202_006
 
FabCafe hidaでのディスカッションの様子。

ヒダクマの松本さん・ロフトワークの岩岡さん・ツバメアーキテクツの千葉さん・岡さん・鈴木工藝社の鈴木さん・Fabcafe Hidaの森口さんと共に