わたしたちはデザインの過程を
『想いをカタチあるものへと少しずつ転換していく作業』
と捉えています。
明白な目的もあれば、子供の頃からの夢、
お金がかかりそうと諦めている希望…。
『想い』とは不明瞭な輪郭で包まれています。
そうしたハッキリとは見えない『想い』を大事にして、
取り組んでいきたいと考えています。
ヒアリングを重ねて『想い』の本質を洗い出しながら、
一つの『カタチ』へと紡ぎ出していく事が、
わたしたちが考えている『デザイン』です。
● 検討用に作る模型を『スタディーモデル』と呼んでいます。
無駄なモノを作ってしまわない為に、敢えてムダに見える作業を繰り返します。
検証目的に合わせて様々なスタディーモデルを作り、多角的に検討を重ねて最適解を導き出しています。
● 初期スタディーモデル
アイデアを広げていく目的で、スケッチするように小さな模型を沢山作ります。固定概念を払拭する為に、手で考える感覚を大事にしながら潜在しているデザインの可能性を探ります。
● 中期スタディーモデル
ある程度固まった方針を作り込みながら、検証のステージを上げています。空間の実体が想像し易くなり、素材や色合い・照明計画の検討も始めていきます。
● 環境解析デジタル・スタディーモデル
環境シミュレーションをコンピューターで行っています。例えば、年間を通して日照がどの様に室内に入ってくるか確認しながら開口の配置を決定しています。温熱環境などの動体シミュレーションが必要な場合も対応可能です。
● 詳細スタディーモデル
縮尺を大きくした模型で細かいパーツの構成をチェック。使い勝手や見た目、全体との関わり等をより具体的に検証します。上の模型はキッチン廻りの部分模型。手元を隠す腰壁と奥の収納扉を同素材で仕上げた場合の効果を確認する為に作製。
● 構造解析デジタル・スタディーモデル
構造設計事務所と協働し構造設計を行います。最新の解析ソフトを導入し、地震や風圧などの負荷を加えながら補強ポイントを絞り込んで堅牢な構造を計画します。また机上の計算だけでなく、施工監理も両社で厳しく行っています。
● 構造解析アナログモデル
構造の組み方がコストに影響することから、より合理的な架構を探る為の模型。完成形を模型にするのではなく、試行錯誤を繰り返しながら「完成形」へと絞り込んでいきます。コストに配慮しながら、堅牢な架構システムを見出しています。
● 『設え』や『素材』について
● 選べる構造
信頼性を第一に構造を設計します。木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造の全てにおいて実績があります。構造事務所と協働しながら堅牢な構造をお約束します。
● 断熱を蔑ろにしない
一年中過ごし易い空間を作る鍵は断熱材。地域・建物の用途・予算など条件に合わせて最適な断熱材の仕様を見定め、夏涼しく・冬暖かい建物を作り光熱費も抑えます。
● 太陽と共に
太陽の恩恵を得て私達は生きています。緯度・経度から当該地の太陽軌道を割出し、季節に合わせて必要な陽差しの受け入れを調節しています。
● 体に優しい空調設備
エアコンの風が苦手な方には、輻射式冷暖房をお薦めしています。またコンクリートを蓄熱体として活用するなどサスティナブルな空調にも取り組んでいます。
● 風を通す開口
ウィンドブレーカーのジッパーの様にサッと開け閉め。雨の日でも開けられる風通し用の開口部を設えています。
● 外と室内をつなぐ
オープンカフェの様な外と内部が繋がった場所を設けます。季節や天候に合わせて開放出来る半屋外の場を作り、オープンな気持ちの良い空間に仕上げます。
● キッチンなど要所をキチンとする
家事や調理の動線を整理しながらじっくり取り組みます。大工に依頼する・システム品を活用する・完全オーダーとあらゆる選択肢からお選び頂けます。
● 水廻りを整える
設備の機能面を整えた上で、状況が許せば出来るだけ洗面や浴室を外部へと開放しています。プライバシーを守りながら、気分転換の空間に仕上げています。
● 動線や収納を快適に
動線や収納がうまくない建物は人を疲弊させます。快適な環境を作る為に動線を入念に解析。使い手に合わせてコンパクトな動線と豊富な収納量を確保します。
● 丈夫だけど素っ気ない材を活かす
工場などに多く使われるガルバリウム鋼板は、安価で耐久性に優れた素材。板金加工を工夫してシャープな仕上げ材に転換し、材の良い面を引出します。
● 板張りの外壁
材料開発は日々進んでいます。腐食や燃焼の問題を軽減した木材が手頃になってきました。定期的に保護材の塗布を行えば半永久的に朽ちません。木ならではの魅力があります。
● 手の跡を残す
施工性が良く割れにくい左官材も開発されてきました。職人の手の跡が残る左官仕上げは、趣きや風合いが漂う建物や空間に仕上がります。
● 新素材の使い方
新素材は性能が良くても味気ないモノが多いですが、中にはキラリと光る逸材があります。上の建物では、ポリカーボネート板を使って穴の開かない現代版障子を作りました。
● 素材そのモノの持ち味を引き出す
鉄・木・コンクリート、、全ての素材はそれぞれの表情を持っています。余計なお化粧を重ねてしまうのではなく、素材そのものが持つ風合いを引出して豊かな空間に仕上げます。
● 照明を上品なアクセサリーに
単に明るさを得るものではなく、ライティングによる演出を大事にしています。場所や用途に合わせて器具や照明方式を厳選。特にペンダントライトは空間を彩る大事なアクセサリーと考えています。
● 色々な居場所を仕掛ける
決まり切った使い方ではなく、お客様らしい居場所を盛り込みます。仲間や家族との時間は勿論ですが、独りの居場所も大切。上の建物では収納部屋の一部を改良して、簡易な書斎を作りました。
● 長いスパンで使い方を考えておく
家族の成長など将来の状況変化も踏まえて構造計画を整理しています。上の建物では、子供の成長に合わせて壁を作れる仕様に。現在は大きなファミリールームとして使用。
● 植物とコラボする
建物を単体として捉えるのではなく、植栽との関係も一緒に考えています。観葉植物の配置から庭木の選定や管理まで、専門のガーデナーと協働して提案します。